ベートーヴェン:後期ピアノソナタ集



ベートーヴェン:後期ピアノソナタ集

商品カテゴリー:ミュージック,CD,DVD,クラシック,音楽
収録曲:ピアノ・ソナタ第28番イ長調op.101, ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調op.106「ハンマークラヴィーア」, ピアノ・ソナタ第30番ホ長調op.109, ピアノ・ソナタ第31番変イ長調op.110, ピアノ・ソナタ第32番ハ短調op.111,
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当時のポリーニ個性が如実に現れた演奏

 ポリーニの後期ソナタ集は、当時大変な話題を呼んだものである。破綻がない技術、限りなくクリアなタッチ、大理石のように彫刻された構成というポリーニの最大の武器を思うがままに開陳した演奏である。そのため、現在でも賛否がはっきりと分かれている。ある人はその一点の曖昧さもない音楽作りを限りなく賞賛し、ある人はただ空虚な音の羅列に過ぎないと貶す。私はそのどちらでもないと思っている。ショパンコンクールの衝撃的な優勝から自己練磨を怠らず、あの記念碑的なショパンの練習曲を世に問うたポリーニの当時のありのままの姿がここには刻印されている。
 第28番の冒頭楽章は極めて柔和で夢幻的なシューマンを先取りするような世界を的確に美しい音色で紡ぎ出している。「ハンマークラヴィーア」の交響的第一楽章や難解なフーガ楽章である最終楽章などはもはやポリーニの独壇場であろう。一方で、最後の三つのソナタにおける孤高の世界では、ポリーニの個性が逆に作用してしまっている。例えば、第30番の冒頭楽章とそれに続く楽章はあまりにもあっけらかんとしてデリカシーに欠ける。また、第32番の第一楽章はヴィルトゥオーゾちっくになってしまっているし、第二楽章も「深み」が感じられない。似たような演奏をしたバックハウスと比べてもその音楽性の差は明らかだろう。バックハウスの方がテンポは速いにも関わらず、ポリーニよりも深い世界が感じられる。
 これらを年輪と言って片付けてしまえばそれでおしまいであるが、私はこの演奏を若きポリーニの記念としてだけでなく、ベートーヴェン後期ソナタの価値ある演奏として評価したい。望むべくは、もう一度、特に最後の三つのソナタを再録音して欲しいものである。ギレリスは最後のソナタを録音する前に世を去ってしまった。もしかしたらポリーニはギレリスがなし得なかった最後のソナタの孤高の世界を表現してくれるかもしれない。私はそれを心から願っているのである。
完全無欠の演奏

近年、ポリー二がベートーヴェンのピアノソナタ全集に向けて
マイペースで活動し始めていることはとても喜ばしいです。
かの大家バックハウスが2回目のピアノソナタ全集(新盤)で、
ついに第29番“ハンマークラヴィーア”のみ再録音出来ずに逝ったことはあまりにも有名ですが、
果たしてポリー二はどうでしょうか?
ポリー二が若くして(33?35歳)録音したこの後期ソナタ集のハイライトは
その“ハンマークラヴィーア”でしょう。
第一楽章冒頭からの強打音と共にポリー二の唸り声を聞くと、
この大曲に対するただならぬ気合いの入れ様がダイレクトに伝わってきます。
そして約43分間途切れること無く、完全無欠の演奏を聴かせてくれるのです。
“凄み”という点でも、バックハウスの1956年カーネギーホールでのライヴ盤に匹敵します。
ここまで完成度の高い後期ソナタ集を聴いてしまった後、
近い将来、これらの再録音を聴ける日が来ることを想像すると、
今からワクワクしてしまいます。
演奏も素晴らしいですが、プロデューサーの功績も・・・

 この演奏の凄さは、ポリーニが同じ頃録音したショパンの
ポロネーズと同じことが言える。つまり、楽譜を通じて
メッセージを汲み取り、そのまま演奏を展開することに
徹している点にある。そこには何も先入観が感じられない。
 このことにより、特にロマン的に演奏されがちなベートーヴェン
の音楽に様々な考えや手法がよりくっきりとストレートに
感じた。人によってはそれに抵抗感を感じるだろうが、自分の
場合は、正直ハマってしまった。晩年になっても尚、音楽に
対してここまでベートーヴェンは貪欲なのか!と思ったから。
ポリーニの強い意欲もヒシヒシ感じる名盤だった。

 それ以来、自分はどうなったかというと、LP!?で
このシリーズを聴いて以来、よりいい音質を求めて、
日本盤のバラ→日本盤の全集→ドイツ盤の全集と
買い直してしまった。
 ハンマークラヴィーア・ソナタも色々と聴いた。
その一連の中で掘り出し物を1つ。このソナタを録音した
ポリーニと、ほぼ同じ年齢で録音したと思われる、
若きグレゴリー・ソコロフの演奏も、ほぼ完璧な演奏だった。
 その演奏と比較して感じたが、ポリーニのこの一連の演奏は、
演奏の意図を見事に録音した、名プロデューサー/
ライナー・ブロックの功績も非常に大きいと思う。
 特に後にポリーニが録音した「悲愴」の録音を聞いて、
演奏もさることながら、あまり巧く録音していなくて「へっ?」
と思った程。その点でも価値の高いCDだと思う。
価値ある演奏

20年ほど前に、3枚のLPレコードとしてポリーニが演奏したベートーベン・ピアノソナタ第28番?32番が発売された。これは、そのCD版である。
当時、持っていたクラシックのレコードのなかで、最も多く聞いたレコードである。
最近このCDを含め何十枚かCDを購入し、またクラシックを聞くようになった。そして、このポリーニの後期ピアノソナタ集は、やはり、よく聞いてしまう。どこに魅力あるか、はっきりしないが、聞くと充実感が残る。すこし悪く言うと、「いい意味の疲れ」が残る。
ポリーニの演奏はテクニックに優れ正確だが、機械的で冷たい感じがする、という評価は、当時からあった。これは、ショパンの練習曲や、ストラヴィンスキーなど高い技巧を要する曲を復帰後すぐに録音したことが影響していると思われる。
しかし、ベートーベンの後期ピアノソナタを「機械的で冷たい感じ」を持つように演奏できるわけがない。28番の暖かくやわらかい導入から、32番の孤独で身震いするような最終楽章まで、光、暗闇、濃厚な感情、世界の広がり、挫折、栄光、協調、戯れ、ベートーベンはいったい何をこれらの音楽で表現しようとしたのか、定かではないが、後期ピアノソナタから、たっぷりと、はっきりと感じ取れてしまえるような錯覚さえ覚える。
ピアノという楽器を使い、もうこれ以上に深く感情、思想を音楽で表現することはできない、といわれるピアノソナタの限界まで行った最高峰の作品群を、賛否はあれ稀有の才能をもつピアニストによる、くっきりと中身を引き出した演奏を残したこのCDは、実は、かなり貴重なものなのではないかと思う。
ノイズが

ベートーベン最後の3つのソナタが欲しくて買ったのですが、2枚組だったので得した気分。
ただしディスク1では、楽章の切れ目にブツッというノイズがはいるところがあります。
ユニヴァーサル ミュージックに問い合わせたところ、マスターにノイズがはいっているということでした。
曲が流れてる最中ではないけれど、ノイズはないに越したことはない。
なので星一つマイナスです。



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